医療広告の「限定解除」とは|ホームページで書ける4つの要件

更新 公開 医療広告ガイドライン株式会社アマクラス

結論

クリニックのホームページは医療広告の規制の対象で、原則として法令で決められた事項しか書けません。ただし、患者が自ら求めて見るウェブサイトであること、問い合わせ先を明示することの2つを満たし、自由診療を載せる場合はさらに通常の治療内容・費用と、主なリスク・副作用も載せると「限定解除」となり、ほかの事項も書けます。限定解除でも、虚偽・比較優良・誇大な表現や体験談は書けません。

クリニックのホームページも「医療広告」です

以前は、医療機関のウェブサイトは原則として医療広告の規制の対象ではありませんでした。平成29年の医療法の改正で、ウェブサイトも他の広告と同じように規制の対象になり、虚偽や誇大な表示は禁止され、是正命令や罰則の対象にもなりました。

ガイドラインでは、次の3つをすべて満たすものを医療広告として扱います。

  1. 患者の受診を誘う意図があること(誘引性)
  2. 医療機関の名称などが特定できること(特定性)
  3. 医業や病院・診療所に関する内容であること

医院の名前が入ったホームページで診療を案内していれば、ふつうはこの3つを満たします。

原則は「書いてよいこと」が決まっている

医療広告では、法令で広告してよいとされた事項(診療科名、医院の名称・電話番号・所在地、診療日・診療時間、医師の略歴など)以外は、原則として広告できません。ただ、ホームページでこれだけしか書けないと、患者が知りたい詳しい診療の内容などを伝えられません。そのため、一定の条件を満たしたときに限って、この限定を外せる仕組みがあります。これが「広告可能事項の限定解除」です。

限定解除の4つの要件

ガイドラインでは、次の①〜④をすべて満たしたときに限定解除を認めています。ただし③と④は、自由診療について情報を出す場合だけに求められます。

要件中身ホームページで確かめること
① 患者が自ら求めて入手する情報であることウェブサイトや、求めに応じて送るパンフレットなどバナー広告や、費用を払って検索結果の上位に出す広告(スポンサー表示など)は当たらない
② 問い合わせ先を明示すること内容について、患者が容易に問い合わせできること電話番号やメールアドレスなどの問い合わせ先が、見つけやすい場所にあるか
③ 自由診療の通常の治療内容・費用など(自由診療のみ)通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間・回数標準的な費用が決まらない場合は、いちばん安い場合から高い場合までの金額の幅(よくある追加費用を含む)を示しているか
④ 自由診療の主なリスク・副作用など(自由診療のみ)利点だけを強調せず、主なリスクや副作用も分かりやすく載せる利点と同じページに、同じくらい読みやすい文字で載っているか

③と④は、載せる場所にも注意が要ります。ガイドラインは、リンク先の別のページに置いたり、利点に比べて極端に小さな文字で載せたりする形をとらないよう求めています。

承認されていない医薬品などを自由診療で使う場合は、さらに、未承認であること、入手経路、国内の承認医薬品の有無、海外での安全性の情報、公的な救済制度の対象外であることなどの記載が必要です。

限定解除をしても書けないこと

限定解除は「書いてよい事項」の範囲を広げる仕組みで、禁止されている表現が書けるようになるわけではありません。ガイドラインが禁止している主なものは次のとおりです。

  • 内容が虚偽の広告
  • 他の病院・診療所と比べて優れている旨の広告(比較優良広告)
  • 誇大な広告
  • 公序良俗に反する内容の広告
  • 患者の主観に基づく、治療の内容や効果に関する体験談
  • 治療の内容や効果について誤認させるおそれがある、治療の前後の写真など

体験談は、書かれている内容が広告してよい範囲のものであっても、医院が誘引のために紹介することは認められていません。一方で、患者が個人のSNSや口コミサイトに自ら書いた体験談は、医院が費用を負担して掲載を頼んでいるなどの事情がなければ、広告には当たらないとされています。

治療の前後の写真は、通常必要とされる治療内容・費用や、主なリスク・副作用などの詳しい説明を添えれば、禁止される写真には当たらないとされています。この説明も、リンク先に置いたり小さな文字にしたりしてはいけません。

自院のホームページで確かめる順番

  1. 問い合わせ先(電話番号など)が、どのページからも見つけやすいか
  2. 自由診療のページに、標準的な費用(または費用の範囲)、治療期間・回数が載っているか
  3. 同じページに、主なリスク・副作用が、利点と同じくらい読みやすく載っているか
  4. 「No.1」「日本一」「最高」「痛くない」「必ず治る」などの表現や、患者の体験談・感想が載っていないか
  5. 治療の前後の写真に、治療内容・費用・リスクなどの詳しい説明が同じ場所に付いているか

表現が問題になるかどうかは、前後の文脈や見せ方によっても変わります。迷う表現は、医院の所在地を管轄する保健所などの医療広告の相談窓口に確かめるのが確実です。

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よくある質問

保険診療だけのクリニックでも、限定解除の要件を満たす必要がありますか?
広告できる事項以外のことをホームページに書く場合は、①患者が自ら求めて入手する情報であること、②問い合わせ先の明示、の2つを満たす必要があります。③と④(費用やリスクなど)は、自由診療について情報を出す場合だけに求められます。
リスティング広告(検索連動型広告)でも限定解除できますか?
ガイドラインでは、検索サイトに費用を払ってスポンサーとして表示されるものや、意図的に上位に表示させたものは、①の「患者が自ら求めて入手する情報」に当たらないとされています。そのため、こうした広告では限定解除はできません。
Googleマップの口コミに書かれた体験談は、医院の責任になりますか?
患者が口コミサイトなどに自ら書いた体験談は、医院が費用を負担して掲載を頼んでいるなどの誘引性がなければ、広告には当たらないとされています。ただし、医院がその体験談を自院のホームページに転載すると、医院による体験談の広告として禁止の対象になります。

出典

この記事は、出典の公開情報をもとに株式会社アマクラスがまとめた一般的な情報です。個別の表現が法令に適合するかの判断は、所管の保健所などにご確認ください。